ゆらぎと聞いて、どんな印象を持ちますか?
私はずっと、ネガティブなものだと思っていました。
感情の揺れ、人生の山と谷。
企業でマネジメント職に就いていた頃には、売上のアップダウンや業績の揺れ。
40代後半には更年期。「ゆらぎ世代」なんてレッテルもありますね。
だから私は、ブレちゃいけないと思ってきたんです。
でも、ヨガを学ぶ中で、ふと気づいたんです。
波のゆらぎ、風のゆらぎ、雨音に、炎のゆれ…。
自然界には、ゆらがないものなんて、ひとつもないんだって。
だったら、
私たちの”ゆらぎ”も、自然なことかもしれない。
そう思ったら、少しだけ心が軽くなった気がしました。
ゆらぎは、不安定さではなく”波”のようなもの。
それを否定せずに、ただ受けとめてみる。
もしかしたら、それが”整える”ということの、はじまりかもしれません。
メンタル不調になったのは、20代後半。
食事も睡眠も削って、がむしゃらに働くことが「かっこいい」「あるべき姿」と信じていました。
でも、気づかないうちに、自分の中の”ゆらぎ”が制御不能になっていったんです。
まずは、食欲がなくなりました。
次に、眠れなくなりました。
みるみる痩せて、気づけば感情の波に飲み込まれて。
穏やかだった私は、どこかへ行ってしまった。
そんな自分が嫌で、毎日、心の中で責め続けていました。
幼い頃から「しなやかな女性になりたい」という理想を抱いていました。
でもその頃の私は、自分の”ゆらぎ”をどう扱っていいか分からなくて、
理想とは真逆の方向へ進んでいたように思います。
そこから私は、自分に「ゆらがない私になること」を課しました。
でもそれは、しなやかさではなく、硬さだった。
身体は常に緊張して、呼吸も浅く、常に身体がこわばっていました。
しかも、無意識に。
「ゆらがない」ことを目指すあまり、
私はますます、自分のゆらぎを敵にしてしまっていたのかもしれません。
そんな私が、”ゆらぎ”と少しずつ向き合えるようになったのは
「自然界はゆらいでいる」という事実を、受け止めてから。
もしかしたら、
ゆらぎを否定しないことが、自分を大切にすることなのかもしれません。
今では、「ゆらぎながら整える」という視点で
毎日の暮らしやケアを見つめるようになっています。
次回は、私が日々感じている
さまざまな”ゆらぎ”とのつきあい方について、もう少し詳しく綴ってみようと思います。